2019/10/16
クロゴケグモの呪い -前編-
このクロゴケグモ・チャレンジは、主人公の配偶者シムを意図的に死なせる事を目的としたプレイです。
所謂クズプレイなので苦手な方はご注意願います。
ルール詳細はこちら
ダニエラと僕は、同じSelvadoradaで生まれ育った幼馴染みだった。
特にやりたい事があるわけでもなく地元に根付いていた僕とは違って、彼女には夢があった。
宿屋を営んでいた祖母の下から家出するように村を出て行った時、彼女はまだ十代で――
その数年後、祖母が亡くなり、宿を継ぐために帰って来た彼女は幼い娘を連れていた。
『私も若かったんだ……そりゃあ今だってまだ、若いつもりだけどさ』
『Selvadorada料理を世界に広める料理人になりたかった。そのために十代の頃、一人で都会に飛び出して』
『それなりに頑張って、それなりに勉強して、それなりに恋をして……相手はろくでもないヤツだったけど』
『結局、全部中途半端なままで田舎に帰ってくる羽目になっちゃった……だけど、後悔はしてないの』
『あの子が産まれてきてくれた事を、夢を諦めた理由にしたくない』
『諦めたのか?』
『どういう事?』
『諦める必要なんて無いだろう』
『君は僕の入れたカクテルが好きで、僕は君の作る料理が好きだ』
『二人で店を開くとか……この村で子育てしながらでも、出来る事があるんじゃあないか?』
『……あんた、一口しか飲んでないのに顔赤いね』
『赤くないよ』
『もしかしてもう酒場で飲んできた?』
『ありがとね。あんたみたいな幼馴染みがいて良かった』
満月の夜、ダニエラは不審な死を遂げた。
僕はその瞬間を見てはいない。
ただ、彼女の家系は古来、ザザトトットル神に仕えた巫女の血筋だと伝えられている。
彼女の祖母が秘蔵していた「死の秘宝」があの夜、行方知れずになった事は――
あの感電死と、本当に無関係だろうか?
「バローネ家」は、古くから骨董商で富を蓄えてきた一族だ。
彼等が売買する品々の中でも、オミスカ寺院ゆかりの「神秘の秘宝」は特に扱いが難しい。
ただの偶像や美術品ではない。扱い方を誤れば持ち主に命の危険が及ぶような、本物の呪いの宝と言われている。
そんな物をSelvadoradaの民よりほかに扱える者がいるとしたら、
考古学者か、それ相応の知識を持った専門家を擁する「バローネ財団」の者に違いないのだ。
夏の終わりに、一人の老医師が亡くなった。
公にされた死因は病死だったが、それは真実ではないかもしれないと、ある者が僕に言った。
『感電死……』
『ダニエラ・アロヨと同じ「呪い」で殺された可能性がある人物の妻について、調べてみるつもりはないかい?』
「そう、まるでサスペンスドラマね。さしずめ私は夫を殺した未亡人……といったところかしら」
「……違うのか?」
「違わない。ダレンは私が殺したの」
「これはドラマの撮影じゃあないんだぞ?」
「解ってるわよ。あなたの知りたい真実を私は話してる。Selvadoradaの秘宝を使ってダレンに呪いを掛けたのは、私よ」
「感電死の刻印。アロエのお母様の死因と同じね」
「……!」
マグダレーナは、僕が彼女に近づいた目的を初めから知っていたのだ。
にもかかわらず彼女は僕に求婚し、自分の屋敷へ僕を迎え入れたのだと言う。
「なぜ?」
「どうして愛してもいない僕を容易く迎え入れたんだ? ダレン医師の殺害を僕に知られた今、君はこれから全てを失う事になるのに――」
「愛していないからよ」
「愛していない相手なら、喪う事も無いと思ったの。あなたって私のタイプの男と正反対だから、愛するはずも無いと思った」
マグダレーナは強い眼差しで僕を見つめ、語り出した。
その首筋に刻まれた印――「クロゴケグモの呪い」について。































