2019/10/05

ハッピーエンドの呪文を -後編-



「魔法使いが究極の呪文を唱えると……」



「死んだはずの王子様もお姫様も、立ちどころに目を覚まし」



「再会を喜び合った恋人達は、それぞれが真に愛する人と結ばれて」



「いつまでも幸せに暮らしましたとさ」






「それが、君の夢見る結末か」






『ブラックウィドウズ・マナーを、ハッピーエンドの舞台にしたいんです』







『亡くなったひとたちがみんな蘇り、死に別れた家族が再び繋がれるような……』

『そんな魔法、ありませんか?』







「……アロエ、目を覚ますんだ」



「最後の特訓をしよう」


































「マグダレーナさん?」



「!」





『私知ってるから』

『お父さんの事を愛して結婚したわけじゃあないって事』



――私は、ひどい勘違いをしていたのかもしれない。






「…………おとうさん?」


© simensoka
Maira Gall