2019/07/31

永遠をかたる優しい君に

このクロゴケグモ・チャレンジは、主人公の配偶者シムを意図的に死なせる事を目的としたプレイです。
所謂クズプレイなので苦手な方はご注意願います。
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「Sulaniでは、ウミガメの子どもが孵化する季節なんだね」



「ジョージが写真を送ってくれたよ。よく撮れている」



「あなたも見に行けば良かったのに」
「行きたかったなぁ。君と、ペット達も連れてみんなで海へ……」



「また、来年があるわ」
「来年か……」
「私達は永遠の命を生きる種族。来年でも再来年でも、百年後でもいつでも行けるわ。海は絶対に逃げたりしないもの」



「……わからない。いつまでも美しい海が在るかどうかは」



「いつまでも、健やかにいられるかどうかは」



「……ダレン?」
「マグダレーナ。どうか突き離さずに、私の頼みを聞いてほしい」
「……」



「近頃、体力の回復がやけに遅いんだ。瞑想も以前のように上手く出来ない。この体は休息が不要なはずだ。それなのに近頃不意に眠気が襲う。眠ったら二度と目が冷めない……そんな気がする」
「ダレン、それは」



「本来ならばとうに病で朽ちていたはずのこの体は、ヴァンパイアの力によって無理を押して生かされている。自然の摂理に反した行いをした罰なのか。永遠の命を手に入れることと引き換えに、私は永遠に醒めない眠りに閉じ込められるのか」



「……眠るのもきっと、悪くはないわよ」
「そうかな」



「そうよ。夢の中ならSulaniにも行ける」



「永遠に美しい海があって、そこには私も、あなたの大切なお友達もいるの」



「好きなだけウミガメの子どもを眺めて、イルカや人魚のお友達も作って、元気だった頃のように泳ぎ回って……浜辺に小さな別荘を建てて、いつまでも幸せに暮らしましょう」



「そして……夢の外では」



「夢の外ではベッドの上で寝たきりの私と、その傍らで孤独に泣く君がいるんだ」



「まぁ……私がそんな献身的な女に見えて?」
「君はいつだって献身的だよ。寝たきりの私が、君をいつまでも独り占めしているわけにはいかない。だから……」
「恋愛下手はお世辞も下手なのね」



「私に対してだけじゃない。君は誰に対しても、ひたむきな真心を捧げてきただろう?」



「彼にも、彼女にも。君の愛した人が望む理想の恋人を、君は忠実に演じてきた」



『悪女』



「他人がそう思うなら、その通りの姿を見せようと振る舞うのが君だ」



「君は優しい女性だよ、マグダレーナ」



「……馬鹿なひと」



「今から貴方を殺す私にそれを言うの?」
「それも、私が望んだことだからね」





© simensoka
Maira Gall