2019/07/28

Emma Faust -前編-














「『我々』と契約しませんか」



「貴女の居場所が」



「今、この世界に無いのなら……」



「……」





Emma Faust







「ユーリケ……と言ったね。妹さん」



「15歳らしく尖っているが、優れた描き手だ」



「然るべき美術教育を受けさせれば、きっと大成するだろう」



「応援してくださるの?」

「勿論さ。私を誰だと思っている?」



「批評界における私の影響力を以てすれば、君の妹はアングスティーをも越える知名度を得ることになる」



「その代償というわけじゃない……だが、君にしか頼めないことがある」



「『オミスカ美術についての論考』?」



「君が書くんだ。私の名義を使って……」

「そんな」



「エマ。君にしか、こんなことは言わない」



「君の才能と僕への献身を信じている」



「愛しているよ」



「……」































「クソ親父」





© simensoka
Maira Gall