2019/02/27

城の令嬢と森の魔女

「過去ログ」タグがついている記事は、20186月から12月まで前ブログ(tumblr)で書いていた記事の転載です。
2018/06/17初出



ジェラルド・バローネ卿の時代より数百年の昔。
互いに惹かれあいながらも引き離される運命にあった2人の娘が、森で暮らしていたという。



城主バローネ公の一人娘、アンナリーサ(愛称リズ)。



永遠の時を孤独に生きてきたヴァンパイア、エルマ



住む世界も種族も異なる娘同士は森で出会い、知りえなかった恋を知り、そして、寄り添い合える時間は決して長くないことも知っていた。



遠くない将来、リズの前には親が呼び寄せた7人の貴公子達が現れる。
その内のいずれかを選び、結ばれて子供を成し、一族の血脈を繋ぐことが彼女の使命であるゆえに。



「わたし、家のための子供なんて産みたくない」



「……お前の子なら、きっと可愛い」


2人の娘は策を弄した。
2人で幸せになるために。
娘同士で子など成せない時代にありながら、2人で未来を紡ぐ秘策を。




エルマの持つヴァンパイアの力は、一人の若者の自我を破壊し自在に操る傀儡へと変えた。
気づかれぬよう貴公子の一人に紛れ込ませ、リズに選択を託したのだった。







2人の愛が真実ならば、いずれの貴公子が「エルマ」であるか、その時リズは見抜けるはずだ……と。


Poses…
© simensoka
Maira Gall